メメント・モリ

おひとりさまアラフィフ女性の終活を記録したプログです

人は死なない

 母が他界してから、人並みの欲望が消えてしまいました。

 

母が生きていた時は、常に「あれがしたい、これが欲しい」と不満と文句ばかりを言っている軽薄で浮ついた人間でした。

 

「あれが手に入れば幸せになれるはず」「あれがあればもっと人生が楽しく生きることができるはず」そんな幻想と期待に踊らされ、ワタシは大切なものを見失っていました。

 

私にとって本当に大切なものとは、大切だと思える人と過ごす温かな時間、お互いを思いやる気持ちだったのです。

 

あまりにも当たり前にあって気づくことができなかった大切なものを、母を失うことで初めて気づけたのです。

 

母の死に際しては後悔することばかりです。

 

もっとこうしてあげれば良かった。

優しくしてあげれば良かった。

そばにいて励ましてあげれば良かった。

何より最期の時にそばにいてあげれば良かった。

 

「お母さんありがとう。お母さんの子供に生まれてよかった」感謝の気持ちを伝えられなかったこと。

 

でもすべてはもう手遅れです。

 

そんな時、こんな本を目にしました。

「人は死なない」東大の救急救命医師が書かれた本だとのこと。

 

死とは肉体を失うことで、魂は不滅である。

 

この言葉は耳にしたことがありましたが、ワタシにとって実感の沸くものではありません。ただ先生は故人となった母と交霊術を通じて対話をすることで「人の死」肉体的な死は終わりではないということを確信されたそうです。

 

母が死んでから私にはかつてのような欲が消えていきました。

変わりに今の私は「死」に取りつかれています。

 

人は死んだらどうなるのか?

どこへ行くのか?

死後の世界はどうなっているのか?

死者と会話をすること、意志を通わせることはできるのか?

私の肉体の死を終えた時にまた母と合うことができるのか?

私と母はまた生まれ変わりどこかで出会うことができるのか?

 

そしてもう一つの興味は「私は何のために生まれてきたのか?」ということです。

 

人は生まれる前にこの人生で何を学ぶかを決め、この世に生を受けるということを聞いたことがあります。

 

もちろん真偽のほどはわかりませんが、もし私にもこの世で成し遂げる「目的」のようなものがあったのだとしたら、それを早くすませてしまえば早くあの世へいけるのではないか?そんな風に思うようになりました。

 

そんなことに思いを馳せながら日々を過ごしています。

 

人は死なない?ある臨床医による摂理と霊性をめぐる思索?

人は死なない?ある臨床医による摂理と霊性をめぐる思索?